Ⅰ列王記14-15 ; ルカ22:21-46
14:1そのころヤラベアムの子アビヤが病気になったので、
14:2ヤラベアムは妻に言った、「立って姿を変え、ヤラベアムの妻であることの知られないようにしてシロへ行きなさい。わたしがこの民の王となることを、わたしに告げた預言者アヒヤがそこにいます。
14:3パン十個と菓子数個および、みつ一びんを携えて彼のところへ行きなさい。彼はこの子がどうなるかをあなたに告げるでしょう」。
14:4ヤラベアムの妻はそのようにして、立ってシロへ行き、アヒヤの家に着いたが、アヒヤは年老いたため、目がかすんで見ることができなかった。
14:5しかし主はアヒヤに言われた、「ヤラベアムの妻が子供の事をあなたに尋ねるために来る。子供は病気だ。あなたは彼女にこうこう言わなければならない」。
彼女は来るとき、他人を装っていた。
14:6しかし彼女が戸口にはいってきたとき、アヒヤはその足音を聞いて言った、「ヤラベアムの妻よ、はいりなさい。なぜ、他人を装うのですか。わたしはあなたにきびしい事を告げるよう、命じられています。
14:7行ってヤラベアムに言いなさい、『イスラエルの神、主はこう仰せられる、「わたしはあなたを民のうちからあげ、わたしの民イスラエルの上に立てて君とし、
14:8国をダビデの家から裂き離して、それをあなたに与えたのに、あなたはわたしのしもべダビデが、わたしの命令を守って一心にわたしに従い、ただわたしの目にかなった事のみを行ったようにではなく、
14:9あなたよりも先にいたすべての者にまさって悪をなし、行って自分のために他の神々と鋳た像を造り、わたしを怒らせ、わたしをうしろに捨て去った。
14:10それゆえ、見よ、わたしはヤラベアムの家に災を下し、ヤラベアムに属する男は、イスラエルについて、つながれた者も、自由な者もことごとく断ち、人があくたを残りなく焼きつくすように、ヤラベアムの家を全く断ち滅ぼすであろう。
14:11ヤラベアムに属する者は、町で死ぬ者を犬が食べ、野で死ぬ者を空の鳥が食べるであろう。主がこれを言われるのである」』。
14:12あなたは立って、家へ帰りなさい。あなたの足が町にはいる時に、子どもは死にます。
14:13そしてイスラエルは皆、彼のために悲しんで彼を葬るでしょう。ヤラベアムに属する者は、ただ彼だけ墓に葬られるでしょう。ヤラベアムの家のうちで、彼はイスラエルの神、主にむかって良い思いをいだいていたからです。
14:14主はイスラエルの上にひとりの王を起されます。彼はその日ヤラベアムの家を断つでしょう。
14:15その後主はイスラエルを撃って、水に揺らぐ葦のようにし、イスラエルを、その先祖に賜わったこの良い地から抜き去って、ユフラテ川の向こうに散らされるでしょう。彼らがアシラ像を造って主を怒らせたからです。
14:16主はヤラベアムの罪のゆえに、すなわち彼がみずから犯し、またイスラエルに犯させたその罪のゆえにイスラエルを捨てられるでしょう」。
14:17ヤラベアムの妻は立って去り、テルザへ行って、家の敷居をまたいだ時、子どもは死んだ。
14:18イスラエルは皆彼を葬り、彼のために悲しんだ。主がそのしもべ預言者アヒヤによって言われた言葉のとおりである。
14:19ヤラベアムのその他の事績、彼がどのように戦い、どのように世を治めたかは、イスラエルの王の歴代志の書にしるされている。
14:20ヤラベアムが世を治めた日は二十二年であった。彼はその先祖と共に眠って、その子ナダブが代って王となった。
14:21ソロモンの子レハベアムはユダで世を治めた。レハベアムは王となったとき四十一歳であったが、主がその名を置くために、イスラエルのすべての部族のうちから選ばれた町エルサレムで、十七年世を治めた。その母の名はナアマといってアンモンびとであった。
14:22ユダの人々はその先祖の行ったすべての事にまさって、主の目の前に悪を行い、その犯した罪によって主の怒りを引き起した。
14:23彼らもすべての高い丘の上と、すべての青木の下に、高き所と石の柱とアシラ像とを建てたからである。
14:24その国にはまた神殿男娼たちがいた。彼らは主がイスラエルの人々の前から追い払われた国民のすべての憎むべき事をならい行った。
14:25レハベアムの王の第五年にエジプトの王シシャクがエルサレムに攻め上ってきて、
14:26主の宮の宝物と、王の宮殿の宝物を奪い去った。彼はそれをことごとく奪い去り、またソロモンの造った金の盾をみな奪い去った。
14:27レハベアムはその代りに青銅の盾を造って、王の宮殿の門を守る侍衛長の手にわたした。
14:28王が主の宮にはいるごとに、侍衛はそれを携え、また、それを侍衛のへやへ持ち帰った。
14:29レハベアムのその他の事績と、彼がしたすべての事は、ユダの王の歴代志の書にしるされているではないか。
14:30レハベアムとヤラベアムの間には絶えず戦争があった。
14:31レハベアムはその先祖と共に眠って先祖と共にダビデの町に葬られた。その母の名はナアマといってアンモンびとであった。その子アビヤムが代って王となった。
15:1ネバテの子ヤラベアム王の第十八年にアビヤムがユダの王となり、
15:2エルサレムで三年世を治めた。その母の名はマアカといって、アブサロムの娘であった。
15:3彼はその父が先に行ったもろもろの罪をおこない、その心は父ダビデの心のようにその神、主に対して全く真実ではなかった。
15:4それにもかかわらず、その神、主はダビデのために、エルサレムにおいて彼に一つのともしびを与え、その子を彼のあとに立てて、エルサレムを固められた。
15:5それはダビデがヘテびとウリヤの事のほか、一生の間、主の目にかなう事を行い、主が命じられたすべての事に、そむかなかったからである。
15:6レハベアムとヤラベアムの間には一生の間、戦争があった。
15:7アビヤムのその他の行為と、彼がしたすべての事は、ユダの王の歴代志の書にしるされているではないか。アビヤムとヤラベアムの間にも戦争があった。
15:8アビヤムはその先祖と共に眠って、ダビデの町に葬られ、その子アサが代って王となった。
15:9イスラエルの王ヤラベアムの第二十年にアサはユダの王となり、
15:10エルサレムで四十一年世を治めた。その母の名はマアカといってアブサロムの娘であった。
15:11アサはその父ダビデがしたように主の目にかなう事をし、
15:12神殿男娼を国から追い出し、先祖たちの造ったもろもろの偶像を除いた。
15:13彼はまたその母マアカが、アシラのために憎むべき像を造らせたので、彼女を太后の位から退けた。そしてアサはその憎むべき像を切り倒してキデロンの谷で焼き捨てた。
15:14ただし高き所は除かなかった。けれどもアサの心は一生の間、主に対して全く真実であった。
15:15彼は父の献納した物と自分の献納した物、金銀および器物を主の宮に携え入れた。
15:16アサとイスラエルの王バアシャの間には一生の間、戦争があった。
15:17イスラエルの王バアシャはユダに攻め上り、ユダの王アサの所に、だれをも出入りさせないためにラマを築いた。
15:18そこでアサは主の宮の宝蔵と、王の宮殿の宝蔵に残っている金銀をことごとく取って、これを家来たちの手にわたし、そしてアサ王は彼らをダマスコに住んでいるスリヤの王、ヘジョンの子タブリモンの子であるベネハダデにつかわして言わせた、
15:19「わたしの父とあなたの父との間に結ばれていたように、わたしとあなたの間に同盟を結びましょう。わたしはあなたに金銀の贈り物をさしあげます。行って、あなたとイスラエルの王バアシャとの同盟を破棄し、彼をわたしの所から撤退させてください」。
15:20ベネハダデはアサ王の言うことを聞き、自分の軍勢の長たちをつかわしてイスラエルの町々を攻め、イヨンとダンとアベル・ベテ・マアカおよびキンネレテの全地と、ナフタリの全地を撃った。
15:21バアシャはこれを聞き、ラマを築くことをやめて、テルザにとどまった。
15:22そこでアサ王はユダ全国に布告を発した。ひとりも免れる者はなかった。すなわちバアシャがラマを築くために用いた石と材木を運びこさせ、アサ王はそれを用いて、ベニヤミンのゲバとミヅパを築いた。
15:23アサのその他の事績とそのすべての勲功と、彼がしたすべての事および彼が建てた町々は、ユダの王の歴代志の書にしるされているではないか。彼は老年になって足を病んだ。
15:24アサはその先祖と共に眠って、父ダビデの町に先祖と共に葬られ、その子ヨシャパテが代って王となった。
15:25ユダの王アサの第二年にヤラベアムの子ナダブがイスラエルの王となって、二年イスラエルを治めた。
15:26彼は主の目の前に悪を行い、その父の道に歩み、父がイスラエルに犯させた罪をおこなった。
15:27イッサカルの家のアヒヤの子バアシャは彼に対してむほんを企て、ペリシテびとに属するギベトンで彼を撃った。これはナダブとイスラエルが皆ギベトンを囲んでいたからである。
15:28こうしてユダの王アサの第三年にバアシャは彼を殺し、彼に代って王となった。
15:29彼は王となるとすぐヤラベアムの全家を撃ち、息のある者をひとりもヤラベアムの家に残さず、ことごとく滅ぼした。主がそのしもべシロびとアヒヤによって言われた言葉のとおりであって、
15:30これはヤラベアムがみずから犯し、またイスラエルに犯させた罪のため、また彼がイスラエルの神、主を怒らせたその怒りによるのであった。
15:31ナダブのその他の事績と、彼がしたすべての事は、イスラエルの王の歴代志の書にしるされているではないか。
15:32アサとイスラエルの王バアシャの間には一生の間戦争があった。
15:33ユダの王アサの第三年にアヒヤの子バアシャはテルザでイスラエルの全地の王となって、二十四年世を治めた。15:34彼は主の目の前に悪を行い、ヤラベアムの道に歩み、ヤラベアムがイスラエルに犯させた罪をおこなった。
22:21しかし、そこに、わたしを裏切る者が、わたしと一緒に食卓に手を置いている。
22:22人の子は定められたとおりに、去って行く。しかし人の子を裏切るその人は、わざわいである」。
22:23弟子たちは、自分たちのうちのだれが、そんな事をしようとしているのだろうと、互に論じはじめた。
22:24それから、自分たちの中でだれがいちばん偉いだろうかと言って、争論が彼らの間に、起った。
22:25そこでイエスが言われた、「異邦の王たちはその民の上に君臨し、また、権力をふるっている者たちは恩人と呼ばれる。
22:26しかし、あなたがたは、そうであってはならない。かえって、あなたがたの中でいちばん偉い人はいちばん若い者のように、指導する人は仕える者のようになるべきである。
22:27食卓につく人と給仕する者と、どちらが偉いのか。食卓につく人の方ではないか。しかし、わたしはあなたがたの中で、給仕をする者のようにしている。
22:28あなたがたは、わたしの試錬のあいだ、わたしと一緒に最後まで忍んでくれた人たちである。
22:29それで、わたしの父が国の支配をわたしにゆだねてくださったように、わたしもそれをあなたがたにゆだね、
22:30わたしの国で食卓について飲み食いをさせ、また位に座してイスラエルの十二の部族をさばかせるであろう。
22:31シモン、シモン、見よ、サタンはあなたがたを麦のようにふるいにかけることを願って許された。
22:32しかし、わたしはあなたの信仰がなくならないように、あなたのために祈った。それで、あなたが立ち直ったときには、兄弟たちを力づけてやりなさい」。
22:33シモンが言った、「主よ、わたしは獄にでも、また死に至るまでも、あなたとご一緒に行く覚悟です」。
22:34するとイエスが言われた、「ペテロよ、あなたに言っておく。きょう、鶏が鳴くまでに、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」。
22:35そして彼らに言われた、「わたしが財布も袋もくつも持たせずにあなたがたをつかわしたとき、何かこまったことがあったか」。彼らは、「いいえ、何もありませんでした」と答えた。
22:36そこで言われた、「しかし今は、財布のあるものは、それを持って行け。袋も同様に持って行け。また、つるぎのない者は、自分の上着を売って、それを買うがよい。
22:37あなたがたに言うが、『彼は罪人のひとりに数えられた』としるしてあることは、わたしの身に成しとげられねばならない。そうだ、わたしに係わることは成就している」。
22:38弟子たちが言った、「主よ、ごらんなさい、ここにつるぎが二振りございます」。イエスは言われた、「それでよい」。
22:39イエスは出て、いつものようにオリブ山に行かれると、弟子たちも従って行った。22:40いつもの場所に着いてから、彼らに言われた、「誘惑に陥らないように祈りなさい」。22:41そしてご自分は、石を投げてとどくほど離れたところへ退き、ひざまずいて、祈って言われた、22:42「父よ、みこころならば、どうぞ、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの思いではなく、みこころが成るようにしてください」。22:43そのとき、御使が天からあらわれてイエスを力づけた。22:44イエスは苦しみもだえて、ますます切に祈られた。そして、その汗が血のしたたりのように地に落ちた。22:45祈を終えて立ちあがり、弟子たちのところへ行かれると、彼らが悲しみのはて寝入っているのをごらんになって22:46言われた、「なぜ眠っているのか。誘惑に陥らないように、起きて祈っていなさい」。